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国立劇場の視聴室で6時間過ごすと頭パンパンになります。

今、「これ以上水を吸いきれないたぷたぷのスポンジ」みたいな状態です。

いくつかの噺を覚えたり演ったりしているとクエスチョンがたくさん出てきます。
こういうときは師匠・先輩方の資料にあたろうと、国立劇場へ向かいます。
東横線で渋谷、そこから半蔵門線に乗換えて半蔵門まで。

お昼ごろから6時ちょい前までですから、6時間くらいずっと映像を観ていました。
いま、頭がぼーっとしてます。
なんたって落語ですから。そりゃあもうずっと楽しく観ていられる。
でも娯楽で観ているわけじゃなくて、一応、勉強しようと細部まで耳を凝らして聴いていますから。
一日に吸収できる情報量には限界がありますね。
ちゃんと咀嚼したいんだったら、空いた時間を縫って小分けに何度も来たほうがいい。

右紋師匠の『五人男』の映像が残っていて、嬉しかったです。
今のところ国立のライブラリーで『五人男』は右紋師匠だけでした。
そういえば僕がまだ前座の頃、亡くなる一年くらい前に国立名人会で演っていたなあと思い出しました。その時の映像で、なんとも楽しそうに演ってらっしゃる。
寄席でも滅多にやらない根多で、池袋に前座で入ったとき二度くらい聴いた覚えがあります。

歌舞伎のほうの『白浪五人男』稲瀬川勢揃いの場の映像も観ました。
当たり前ですけど、やっぱり芝居の噺は元の芝居を好きにならないと、噺の中のキャラクターも生き生きしてこないですね。
『武助馬』をやってから、やっと興味が出てきました。

川崎の柳好師匠の『道具や』。
市販されているCDは(たしか)ビアホール名人会のときの音源ですから公開録音。
その音に比べてこの国立の映像は、言葉はほぼ一緒で抜いているところもないのに、もう少しトントンと、サラッと演られている。
こっちのほうが本来の寄席で演っていたニュアンスに近いんだろうなと想像します。楽しい。

ひとつの高座の映像が20分〜40分ありますから、色々観ているとあっという間に6時間です。おもに「覚えたけれど演らなくなっている根多」「近いうちに覚えようと思っている根多」などを観ました。

今夜は寒い!