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2016年3月のこと

3月24日

午前中は、神田連雀亭のワンコイン寄席に出演。三遊亭鯛好兄さんと林家扇兵衛さんとご一緒しました。トリに上がって、久しぶりに「片棒」を演る。生憎の雨にも関わらず足を運んでくださり、有難うございます。今日は来て損しちゃったなと思われないように、意気のいい若造を見たなと満足していただくために、一生懸命です。

夜は三越前の日本橋亭へ。 同じ落語芸術協会の兄さんたちが立ち上げている「成金」の会があるので、それを見学するため。きのう、昇也兄さんが「どんどんおいでー」と言ってくだって、早速お言葉に甘えた。

とりわけ今日は、落語家の出演者がオール春風亭一門の日。好きな兄さんばかり、しかも春風亭小柳枝師匠がゲストという、いい会。

最初から最後まで高座袖から見ていたけれど、この熱量、質量、ライブ感。これはお客様にとって大変な満足感だ。毎度この切磋琢磨をしているわけですから、「成金」の公演に足繁く通っているお客様は、「あれー? 今日は……」というように、スコーンと裏切られることはまずない、そういう状況だろうと思います。

じぶんと同じ協会の先輩、しかも一緒に前座修業をやったような方々がこういったユニットを立ち上げて、互いに影響し合って、どんどん腕を上げていく、自身たちが起こしている風で周りをも(いい方向へ)変えていくような、獅子奮迅の活躍をしている。これは心強くもあり、「さあ、自分はどうする」ということになる。

もう本当に当たり前でシンプルなことしか言えないのですが、自分の目の前にいるお客様に満足してもらう。僕の名前を見て足を運んでくれたお客様の期待を裏切らない。このことでしか、次へ進めない。

そんな当たり前のことを一日一日大事にしようと、毎日思ってるつもりなんですが、今日は本当に強く思いました。

兄さん方、ありがとうございます。

3月23日

堀之内のお祖師様で「堀之内寄席」という寄席が毎月やっていまして、今日はそこに出してもらいました。この「堀之内寄席」は、故三遊亭圓右師匠が始められて今も続いている、歴史ある落語会です。昔昔亭桃之助兄さんと春風亭昇也兄さんとご一緒。お客様も耳の肥えた方が多く、とても気持ち良く演らせてもらいました。

終演後、東高円寺の駅前で桃之助兄さんにご馳走になり、終電で帰る。前座時代、高円寺に住んでいたので、そういう場所で久しぶりにお酒を飲めて、楽しい。

3月21日

渋谷で4回目の「鯉丸らくごフル」。まだまだ入りが少なくて、お客様に落語の内容以外の気を遣わせてしまうのが面目無い。ご来場、感謝します。

「長屋の花見」をネタ下ろし。桜が散るまでにもっと練る。

3月20日

横須賀のお客様にお仕事をいただく。金沢八景で快特から普通に乗換えて汐入へ。

汐入駅に着くとなんだかやけに人が多くて、なんだろうなと思っていたら、米軍の横須賀基地の一般開放日だった。ベースに入ろうという人の長蛇の列。

横須賀中央も出店やイベントが点在して大賑わい。嬉しい。

3月19日

あいにくの雨になって心配していたのですが、横浜そごう9階の会、足を運んでくださいましてありがとうございました。

高校時代の友人もお父さんと一緒に来てくれて。10年ぶりくらいかな。会えて本当に嬉しかった。横浜そごうという場所が幸いしてか家族で来てくださった方が多く、この場所で落語会を始めて良かったなあと思います。お父さんお母さん、またはお子さんと一緒に来やすい落語会を開くのが密かな目標なのです。

次回は5月を予定しています。

3月18日

ここ雰囲気がいいなあ。落語会やれないかなあ。いつもそんなこと考えている。とりわけ、街のにぎわいの真ん中でやっている落語会が好きで。

新宿末廣亭のあの、新宿三丁目に突如現れる夢幻感には敵わないけれど、小綺麗でスタイリッシュな場所でやるより、雑多な感じというか、ごちゃっとした感じというか、そんな場所で落語会をやりたい。

今日からまた、新しい落語会が始まった。六角橋商店街の雑貨屋「ムーンキャット」さんの二階、二階劇場での勉強会。東横線の白楽駅から歩いて4分くらいの場所です。

この会場がね、素敵なんです。まるで屋根裏みたいな場所。「となりのトトロ」でサツキとメイのもとへどんぐりが落ちてくる階段があるでしょ。あれみたいな急な階段を上っていくんです。上っていくと、赤毛のアンが住んでるような屋根裏部屋。8畳くらいかな。15人も入ればいっぱいです。

こういうポケットみたいな会場だし、会場の営業時間が夕方6時までなので、平日の昼間、ワンコインでやっていこうかなと思っています。

お客様をいっぱい集めるのは難しいけれど、ご近所でたまたま平日休みの方、昼間に時間的な余裕がある方に来ていただいて、覚えたてのネタや苦手意識のあるネタを「えいやっ」と演る場所にしていくつもり。

神奈川方面の方は、頭の片隅に入れておいていただけると嬉しいです。

3月17日

立川吉幸兄さんから声を掛けていただいて、鶴見駅前の「サルビアホール」のお仕事へ。

どんなお仕事でも若手は精一杯やるだけなんだけど、「このお方からお仕事をもらうと、とりわけ嬉しいなあ!」という人はやっぱりいる。つまり、自分にとってその人の高座が好きで、その人に声を掛けられると嬉しいってこと。吉幸兄さんは僕の中でそういう人の一人だ。

この鶴見のサルビアホールは、ずっと隔月で二ツ目が小さな落語会をやっていて、年に一度、大ホールでスペシャルの落語会をやるのだそうだ。その、年に一度の大事な会に出していただけたのだ。

出演者は吉幸兄と僕のおあとに、真打がなんと三人。笑遊師、南なん師、遊吉師という、落語芸術協会でも重鎮の師匠方ばかり。身の引き締まる現場だった。

僕がこんなことを書くのはおかしいけれど、この日の三人の師匠方が、本当に素晴らしい高座だった。なんていい落語会だろう。前座の四年間、この師匠たちの落語のそばで修業ができて良かったなと、改めて思った。

3月11日

今日お昼は向ヶ丘遊園で落語会。時間通りの電車に乗って会場に到着。

ここのところよく高座にかけている「真田小僧」を演る。

帰り道、近所の八百屋さんで野菜をしこたま買いこむ。ここがまた、安くて新鮮な野菜がどっさり並んでるのよ。みずみずしいったらない。

「これ今から百円、持ってって持ってって!」

お店の人も、いつも生き生きと働いてる。近所にこういうお店がある頼もしさ。

また明日。

3月10日

ここ1,2年だろうか。

京浜急行の駅構内に手書きのPOPがよく貼ってある。羽田空港アクセスの広告がおしゃれっぽいポスターなのに比べて、手書きPOPの内容は横須賀・三浦への観光案内がほとんど。三浦半島になんとかして足を運んでもらいたいという思いが伝わってくる。

横須賀市が人口減少率で全国ワースト1位になって以降、横須賀市も京急も強い危機感をもっていろんなPRをしている。「みさきまぐろきっぷ」「よこすかグルメきっぷ」、最近では「葉山女子旅きっぷ」なんてのも出てる。

「どうにかできないか」なんて思うのはオコガマシイけれど、でもやっぱりオコガマシク、どうしたらもっと横須賀が賑やかになるかなと、一日に一回、短い時間かもしれないけど、ふと考える。僕みたいに、世の中から見たらふわふわ生きてる人間こそ、無責任にそういうことを考えてもいいんじゃないか。

大きなたいまつは起こせないけど、ろうそくの灯りが1つ、また1つと少しずつ増えていくような、そんなことはできないだろうか。この手書きのPOPは、その1つだと思う。

さて、稽古します。

3月7日

「前座から二ツ目になると何が変わるの?」

お客様からもよく聞かれるし、落語家もよく話題にする。

変わることは色々ある。

よく言われるのは、黒紋付、羽織を着られるようになる、前座の楽屋仕事から解放される、じぶんの好きな噺を演れる……。

でも一番変わることは、「じぶんの名前」でお客様に落語会へ足を運んでもらえるようになること。じぶんの芸でお客様から木戸銭を頂戴して、いかに満足していただけるかということ。そして、それは本当に難しいことだ。日々、心の底で泣いたり笑ったりしている。

ある落語会でじぶんが最後に上がって、精一杯に演って高座を下りる。楽屋に戻る。向こうの客席からガヤガヤといろんな声が聞こえてくるけれど、

「ああ、最後まで面白かったね」

この声が聞こえてくるのは、本当に嬉しい。じぶん宛でない、向こうから飛んでくる声ほど、素直に受け止められる。どんなご祝儀にも代えがたい。

翌日、別の落語会に出る。じぶんがメインではない会だったが、帰りぎわにお客様が、「面白かったよ」と声をかけてくださり、ご祝儀をいただいた。

いいお客様だね。

3月3日

お仕事の帰り、千葉の佐原へ。

電車の時間もあってゆっくり見られなかったけど、佐原って古い街なんだね。江戸時代からずっとこの道幅なんだろうなあ。いい雰囲気だった。

JRの駅も立派。